自然の世界には、人間の想像をこえる不思議がたくさんあります。
その不思議をじっくり見つめることで、新しい発明や技術の種が生まれていくんですね。
イカと光の科学
自然界の不思議のひとつに、イカやタコが体の色を変えるしくみがあります。
たとえば砂浜にいるときは砂の色に、深い海の中では暗い色に……と、まるで周りの景色に合わせてカメレオンのように姿を変えるんです。
彼らの皮ふの中には、とても小さな「色のスイッチ」のような仕組みが並んでいて、それが光を反射したり通したりして色を作り出していると言われています。
例えるなら、体の表面が「天然のディスプレイ」になっているんですね。
こうした不思議な能力は、科学者たちも注目して研究を進めているそうです。
「どうしてそんなことができるのか」を調べることで、将来の技術に役立つヒントが見つかるかもしれないからです。
たとえば――――
👗色や模様を一瞬で変えられる服。気分やシーンに合わせて、ワンタッチでファッションを切り替えられるとしたら便利ですね。
また、イカの光の仕組みをまねて、光の強さや色合いを調整できるランプを作ろうとする研究もあります。それは、夕日のように落ち着いたり、蛍のようにやさしかったり、普通の電球とは違う自然な光を再現できるかもしれませんね。✨
こうした研究の分野は「バイオミメティクス」と呼ばれていて、自然の仕組みをヒントに新しい技術を生み出そうとしています。
大学や研究所の科学者たちが「生き物の不思議」を観察しながら、未来の暮らしに役立つものを考えています。
「理科や生き物が好き」という気持ちが、将来こうした研究や職業につながるかもしれませんね!
バイオミメティクスとは……❓
生き物の仕組みをヒントに、新しい技術やデザインを作る研究分野のこと。
飛行機の翼は鳥の羽、マジックテープは草の実など――自然の観察から生まれた身近な発明がたくさんあるんだとか!
イカの色変えもまた、未来の技術につながる「自然からのヒント」ですね。